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加藤 金治; 伊藤 光雄; 渡部 和男
Fresenius Journal of Analytical Chemistry, 366(1), p.55 - 58, 2000/01
原子炉の解体に伴って大量に発生する放射線遮蔽コンクリートを合理的かつ安全に処分するためには、その廃棄物の放射能インベントリーを正確に評価することが重要である。放射能インベントリー評価法開発の一環として、ここでは、Sr-90の極微量放射能量評価のため、その親元素であるTh及びUの高感度定量法を確立した。確立した定量法は、試料を酸分解し、陰イオン交換分離後、誘導結合プラズマ-質量分析(ICP-MS)する方法である。本法におけるTh及びUの検出限界(3,n=10)は、それぞれ2.26及び1.77pptであり、放射化コンクリート実試料中の5ppm程度のTh及び1ppm程度のU定量の繰り返し再現精度は共に変動係数7%以下であった。
横山 立憲; 國分 陽子; 三ツ口 丈裕*; 村上 裕晃; 平田 岳史*; 坂田 周平*; 檀原 徹*; 岩野 英樹*; 丸山 誠史*; Chang, Q.*; et al.
no journal, ,
炭酸塩鉱物は岩盤中に普遍的に産出し、その地球化学的情報、年代学的情報は、地質環境変遷を解読する上で有用な制約因子となる。炭酸塩鉱物は累帯構造を持つことがあり、LA-ICP-MS法などの局所領域分析手法を用いて、累帯ごとの元素・同位体組成を分析することにより、その炭酸塩鉱物を沈殿させた水の起源やその組成及び生成年代の範囲を明らかにできる。一方で、炭酸塩鉱物のU-Pb年代測定は、U-Pb系への適応性の低さと標準試料が未選定という二つの未解決課題があった。本研究では、炭酸塩鉱物のU-Pb年代測定技術の確立のため、同位体イメージング分析手法を適用し、事前にU及びPbの元素・同位体分布を把握することで、U-Pb系への適応性の低さを補完した。また、標準試料の選定と開発を進めるとともに、現段階で最も有効と判断されるWC-1(254.46.4Ma; Roberts et al., 2017)を標準試料として採用した。手法の有効性を確認するためウミツボミ(示準化石)試料のU濃度が高く、Pbの蓄積が顕著な領域についてU-Pb年代測定を実施した結果、得られた年代値はこの試料の棲息年代と整合的であった。したがって、本手法を用いた方解石質試料の年代測定は、少なくとも約250350Maの年代において有効と結論できる。さらに、誘導結合プラズマ部での酸化物生成率を低減させた条件下では、試料のマトリックスの違いに起因した元素分別の補正を施すことなく、精確な年代値が得られることが判明した。